文献から製造プロセスの物理モデルを自動生成するAI
Automated physical model builder

概要

化学プラントにおけるデジタルツインの実現には,実プロセスを正確に表現可能な物理モデル(第一原理モデル)が必要です. しかし,モデル構築は専門性を有する研究者の試行錯誤的な取り組みを必要とし,難しく高コストです. 私達は,AutoPMoB(automated physical model builder)と名付けた,文献を駆使してあらゆるプロセスの物理モデルを自動的に構築する人工知能(AI)の開発を目指しています. AutoPMoBを実現するには,複数の要素技術を開発する必要があります. 現在,自然言語処理や機械学習の技術を活用した要素技術を開発中です.

AutoPMoBによるモデル構築フロー

AutoPMoBは,1) 対象プロセスに関する文書を収集し,2) 形式を統一し,3) モデル構築に必要な情報を抽出し,4) 抽出した情報の表記を統一し,5) その情報を統合することで所望の物理モデルを自動で構築します.

モデル構築に必要な情報の抽出

モデル構築に必要な情報には,変数,数式,実験データなどが含まれます. これらを文書中から正確に抽出する技術を開発しています. また,情報抽出技術の開発・検証に必要なデータを効率的に作成するためのツール開発も行っています.

抽出した情報の同義性判定

文書によって,変数や数式などの書き方は異なります. 複数の文書をAutoPMoBが理解できるように,抽出した情報が同じ意味を表しているかどうか(同義性)を判定する手法を開発しています.

モデル候補の構築・評価

化学工学の知見に基づいて,抽出した情報を統合して物理モデルを自動で構築する手法を開発しています.